1)個別性ある看護を効率よく提供する
2)患者の人権を尊重し、生活の質の保証と自立への支援をする
3)地域、他部門、他職種と意思の疎通を図り、協動する
1) 患者の安全、安心を保証できるように管理システムを整備する
2) 看護の質の向上を目指し、業務の改善、効率化を図る
3) 入院時から退院後の生活指導、健康保持支援の計画指導にあたる
4) 患者満足を高めるため、個々にあった看護ケアを提供する
5) 患者の目線で対応し、心の通う人間関係をつくる
看護師20-30歳台は、結婚・出産・育児にさしかかる時期であり、仕事と家庭の両立に悩むときです。この時期に職場を離れると復帰が困難になり、
それまで培った知識・技術が低下しかねません。それを解決するために、当院では、ワーク・ライフ・バランスに取り組んでいます。
院内託児所は平成6年より開設し、現在6名の保育士が在籍しており、夜間対応もしています。平成19年より両立支援推進委員会を設立し、理事長はじめ看護師長も参加のもと、両立支援ガイドブック作成、職場復帰プログラム作成(育児休業中に職場上司と定期的に面談、職場の状況に触れて、スムーズに復帰できるような計画)、年次有給休暇取得推進、積み立て年休制度利用状況、制度利用のための環境つくり等検討し、できるだけ職場の意見も反映させるよう議論をかさねています。その結果看護師の退職率は減少しています。
また、介護休暇制度もあり、急な親の病気の介護要する場合でも利用できます。
年間計画にて実施されている院内教育(医療職として必要な院内感染、医療安全、個人情報保護法、身体抑制、医療ガス、防災対策、接遇マナー、5S活動等)への参加をするとともに、毎年開催されている院内学会(各部署から演題発表がおこなわれる)に参加し、医療職として必要な知識・技術の自己研鑽をおこなっています。院内学会の優秀演題は、全日本病院学会、慢性期医療学会へ発表し、全国から参加している他の発表を学ぶとともに、情報交換を行います。
また、看護協会の研修についても積極的に参加をしています。
認知機能低下のみられる患者さまが多くなっており、本来の内臓疾患の治療を行う上で、経管栄養チューブ、中心静脈栄養カテーテル、膀胱留置カテーテルなどを自己抜去する方、ベッドから一人ではまだ降りられない状態であっても忘れて降りようとし、転倒・転落のリスクが高い方などに対し、やむを得ず、ご家族の了解のもと、手にミトンをつけさせていただく、ベッド柵の数をふやしてつけさせていただく、センサーマットを置く等の対策をとります。
病気の経過でリスクが少なくなってきた際は、徐々に解除してまいります。
このような症例はまとめて身体拘束適正化委員会にても検討し、看護部内で情報共有します。
病気の経過で寝たきり状態となっている方の場合は、褥瘡発生のリスクが高いので、入院時に褥瘡発生のリスクアセスメントを実施するとともに、栄養科では栄養ケアマネジメントを実施、リハビリテーション科では適切なポジショニングについて検討し、看護師と情報共有します。
全病床に褥瘡発生予防のための低反撥マットを使用していますが、褥瘡発生した患者さまについては、その程度により適切なエアーマットに変更します。
皮膚科専門医の診察を受けながら適切な処置をおこない、その経過については、褥瘡対策委員会で報告するとともに、他の症例についても看護部内で情報共有し、今後の症例に役立てます。
《一般病棟》
一般病棟では、まず早期在宅復帰を念頭において、病棟看護師はじめ多職種でリハビリの取り組みを行います。入院患者さまのADL機能(日常生活動作機能)について、リハビリスタッフ、管理栄養士、地域連携室スタッフ等と週1回カンファレンスを実施。リハビリの進行状況を職種間で情報共有するとともに、病棟での介助方法などについて、看護師、介護福祉士間で個人差のないよう、統一化をはかるとともに、日々の機能訓練により獲得した「できるADL」と、日常病棟で行っている「しているADL」を明確にし、この差をなくするアプローチを病棟スタッフで行っていきます。これにより、実用性のあるADL機能獲得につながります、また、管理栄養士から栄養ケアマネジメントの報告を聞き、喫食率の状況についても確認し、栄養状態悪化の傾向みられる際は、医師へ報告し、食事内容の検討を行うとともに、NST委員会においてもフォローが行われます。地域連携室スタッフは、退院後の在宅生活の場所について、施設となる予想があれば、早めにご家族への情報提供を行いご相談にのります。
《介護医療院》
医療ニーズの高い長期療養を行っている患者さまについても一般病棟と同様に、週1回のADLカンファレンスを行っています。参加職種は、リハビリスタッフ、看護師、介護福祉士、管理栄養士、ケアマネジャー、歯科衛生士です。
日々のリハビリの訓練内容は、ケアプランに沿って実施されますが、病棟で患者さまがおこなっている「しているADL」と、機能訓練の結果獲得した「できるADL」の差をなくするアプローチを行います。病棟看護師、介護福祉士は、統一した介助方法について確認を行うとともに、栄養ケアマネジメントや、口腔ケア・マネジメントについても情報共有します。
栄養ケアマネジメントの結果で問題のある患者は、NST委員会でもフォローしていきます。
病院で終末期を迎えられる、癌ターミナルや重症呼吸不全、重症心不全などの患者がふえています。最後が予想される方については、事前に終末期医療について医師が確認しています。それにもとづいて看護をおこなっていきますが、それ以外でご家族のご希望などある場合は(車椅子にての屋外散歩、自宅への外出、車で近くへドライブ、好きな食べ物を少し食べてみたい等)、医師に確認し、可能な範囲で実施しています。予想される最後を迎える場合ばかりではなく、急変されることもあります。死亡退院された後、1週間以内に病棟でデスカンファレンスを持ち、ご家族とともに納得のいく最期を迎えることができるっよう、反省点についてスタッフの感想・意見をだして、今後の症例に生かすよう検討します。
下記の多数の委員会に師長や担当看護師が出席し、多職種、多部署と情報共有しています。
医療安全管理委員会、院内感染対策委員会、全体運営会議、摂食嚥下委員会、NST委員会、倫理委員会、病床管理会議、個人情報保護推進委員会、診療録管理委員会、医薬品安全管理委員会、医療ガス安全管理委員会、輸血療法委員会、防災対策委員会、給食委員会、両立支援推進委員会、教育委員会、医療サービス改善委員会、環境整備委員会など